雫
木魚という、お寺で使う打楽器、いやいや仏具と言わないといけませんかね。まあみなさんも見たことくらいはあるかなと思いますが。
この木魚、そのまんまでは役に立ちません。バチを使って叩いてやって初めて役に立つのです。
この木魚の奏打法に雨だれ落ちという打法があります。
雨が降ると軒先から雨だれが落ちますね。
いきなり、一気にバババアとは落ちません。
ポチッ ポチッ ポチッ
ポツ ポツ ポツ ポツ
ポツポツポツポツポツポツ
バババア
こんな感じ。
木魚もはじめはゆっくりと、中程でテンポ良く、
しまい頃にはまたゆっくりと。こんな形で打つんです。
さあこの雨だれ、これが雫です。
この雫、頼りない小さな小さな雨粒。
ですが、うまずたゆまず積み重ねると、やがては石に穴を穿ちます。
小さな小さな積み重ね、それがやがて石に穴を開けるような結果になるということです。
疎かにしてはなりません。
せいてはなりません。
じっくりじっくり、続けて続けて、うまずたゆまず。
小さな雨粒に学がたくさんありませんか。