お坊さんが語る終活

後悔しない人生を、笑顔の毎日を本当の終活で。

「お盆」

今年のお盆は台風10号の影響もあり、多くの人にとって過ごし方の違うお盆だったのではないでしょうか。

私も多分にもれず、例年は大阪で全国御詠歌大会が開催されるのでありますが、今年は中止となり、自坊で過ごすこととなりました。

さて皆さんはどんなお盆を迎えられましたか?

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お盆とはご承知の通り、「盂蘭盆経」というお経が出典でありまして、お釈迦様の十大弟子の一人、かの目連尊者に由来します。神通第一と言われた目連は亡き母の冥界での様子を確認します。さぞ極楽でおいでと思いきや、母は餓鬼道で逆さ吊りの苦しみを受けていました。悲しんだ目連はお釈迦様に救済の方法を尋ねます。その方法が先祖供養と相まって、現在のお盆の風習になったと言われます。

 

さてこのお話、単に先祖の供養法を伝えるものではありません。

経典にはそれぞれ「教え」が介在しています。ではこのお経の教えは。

物事を正しく見ることの大切さ、であります。

 

目連のお母さんは生前、お釈迦様の教えに対して正しく受け取らず、うがった見方をしていたのであります。それが種となって、死後物事を逆さまに見なくてはならない苦痛を、業として果たさねばならないというお話なんです。

ですから私たちも、「前者の覆るを知って、後者の戒めとなす」目連尊者のお母さんの姿から、自身の心の置き所、物の見方考え方を整えなければならないのであります。

お盆とはそういった心の改まりをいただく機会なのであります。

 

気付いた時が改善の時。日々改まりをいただきたいものですね。