「姥桜も満開」花びより金剛寺2018
4月8日はお釈迦様のお誕生日です。
一般に「仏生会」または「花まつり」として耳にする行事が、寺院などで行われます。
大阪市鶴見区の総本山金剛寺では、春の佳き日を選び、地域の皆様をお招きして「花びより金剛寺」を毎年開催しています。
今年は桜の開花が早く、当日はソメイヨシノに代わって八重の桜が満開の中、4500名の方が仏縁に触れられました。
「神さん、仏さんは、お父ちゃん、お母ちゃんということ」斯様な教えがある金剛寺。この日も人々のみならず、神仏が歓喜集合する様相でありました。
地元、鶴見神社様の花谷宮司様が祭主をお勤め下さり、地車を依り代としての「ご遷座式」から始まり、続いて大阪府佛教青年会、大阪市仏教青年会の僧侶の方々に御出仕頂いての仏生会。行道中、お坊さんが振り撒く「散華」が風に舞い仏誕の歓びを醸し出しました。
白象に乗った誕生仏に甘茶を濯がらる人の列が何十メートルもにもなっていました。
うまいもん広場では、たこせん、ホットドック、うどん、おでん、ポップコーン、つきたてのお餅などが振るまわれ、ご家族連れを中心に美味しそうに召し上がっておられました。
そんな中、私も10分ではありますが、花びより法話として、2ステージを汚させていただきました。
1回目は仏生会にちなんだお話。2回目はハスの花の徳についてのお話を用意していましたが、場の雰囲気から、「ソメイヨシノは散りましたが姥桜が満開」というお話をさせていただきました。
その話になった途端、「ワハハハハー」と聴衆の皆さんが湧き上がりました。なにせ私の目の前にある状況を言ったのですから。
そこで改めて「姥桜」の説明をさせていただきました。みなさんももしかしたら、あまり良い意味で捉えていないかも知れませんが、この言葉は高齢の女性を褒める、褒め言葉であります。
葉が無い時に咲く花を総称する言葉で、「歯がない」時でも艶やかに咲く花、つまりご高齢になってもなお、美しく、艶やかに咲き誇っているような様子の女性、というのとなのであります。知ってましたか?
ですから昨日は平均年齢、ウン十才の美しい女性のお客様がたくさんお見えになっておられた、ということなのであります。
改めて日本語の、日本人の豊かな感性を感じますね。
春夏秋冬という四季の移り変わりを感じられる私達、そういう気候条件が素地となって、私達の感性は養われて来ているのかもしれません。
大自然の営みに、畏敬と感謝を常に持たねばなりませんね。
植物の花と同様、私達も必ず散ってゆく時があります。その時に笑顔で散れるか、憂いを持って散るか、そこをきちんと選ばねばなりません。
笑顔で散るためには、笑顔で散るための今日を過ごすことを心がけねばなりません。
明日、散る時が訪れないとも限りません。
今日を人生で一番の「花ざかり」と心得て、心の胸を張って、明るい一日を過ごしましょう。
ご覧下さり、ありがとうございました。合掌