お坊さんが語る終活

後悔しない人生を、笑顔の毎日を本当の終活で。

御朱印の転売に思う

f:id:obousansk:20190517122432j:image

令和の幕開けにより、全国の社寺に御朱印を求める人が列をなしたそうです。

あれから二週間、それらがネット上で転売されているとのことです。

第1の感情として、「わかってないね」

第2の感情として、「社寺の怠慢」の2つを感じました。

 

民間の方が、ブームとして御朱印を求める。おそらく「スタンプラリー」感覚なんだと思います。

社寺の方も、社寺離れにブレーキをかけるきっかけとして、また、一筆なにがしがの奉納がありますから、悪くはない話と思いましょう。

縁が繋がること、大切なことであります。

 

しかし肝心なところが抜け落ちている。それは御朱印、納経とは本来何なのかということです。

これは神様や仏様に参拝した証として、授けていただくものであります。

ところが昨今は「記念品」的な感覚なんでしょう。

「そんな御朱印を転売するなんて!」という人はまだましですが、実際に売る人、買う人が存在しているということが問題であり、でもその根源は社寺側がその意味するところを説いていない、伝えていないことにそもそもの問題がありましょう。

 

宗教者が宗教屋になってはなりません。きちんと神様、仏様に向き合える人づくりをすることこそ、本来の役割と思います。

社会現象が投じてくれる令和の一石として、良き波紋が広がることを願います。