お坊さんが語る終活

後悔しない人生を、笑顔の毎日を本当の終活で。

人生、嬉しいこともあるよ。

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週末あたりから、報道各社が夏休み明けの若者の自殺について発信をしている。

今朝の新聞紙面にもそのことが掲載させていた。

紙面によると昨年の国内での自殺者数は21,321名と8年連続で減少。一方、19歳以下は前年比47人増の567人だと言う。つらい。

 

私には中学生の息子と娘がおります。

思春期になり、特にお兄ちゃんの方は、"順調に"成長の過程を進捗しており、親の勉強を日々させて頂いております。

しかし、幸いに学校でのことも教えてくれたり、友達のことなども話してくれる環境があるので、そこのところは有難く思っています。

 

話は少し変わりますが、来年は「御代がわり」の年であり、今上陛下がご譲位あそばされます。

第125代の天皇陛下が現在の天皇陛下であらせられますが、この第数は初代神武天皇様からであります。2600余年という時の流れが、今なお続いているのです。

この時の流れ、これは「愛」によって継続されてきたものと信じています。

そして、その「愛」の始まりは「愛される」ことからスタートしているのではないでしょうか。

 

この世に生をうけた瞬間、「愛される」ことがスタートします。いや、懐胎の時からが正しいのかもしれません。いずれにせよ、全ての人は「愛される」からスタートしているのです。

 

昭和54年、第46回NHK全国学校音楽コンクール、中学校の部の課題曲に山上路夫作詞、池辺晋一郎作曲「時は流れても」がありました。

 

当時私は中学1年、合唱部に所属していました。(今は合掌部の方ですが)

当時顧問の先生は木村七郎師、ワイルドな風体に似合わず繊細な感性を持った先生でありました。その先生の指導のもと、いわゆるNコンを目指して、毎日唄っていたのが当時でしたが、きっと今でも、その課題曲は通しで譜面なしで歌えます。

そんなこと自慢しても仕方ないですが、その歌詞の最後にこうあります、

 

時の流れは止まらないけど

自分の時間を生きていれば

いつかはきっと

あなたもわかる

時が育てた贈りもの

 

この歌詞をいま改めて実感できる年齢になった気がします。

悲しいこと、つらいこと、情けないこと、無いわけないでしょう。でも、先に歩んだ人の知恵や経験を借りながら、時を経ることで、この「贈りもの」を受け取ることが出来るのだと思います。

 

若い人たち、時の流れはきっと嬉しさや楽しさ、喜びをもたらしてくれますよ。

年上の方々、そのことを自らの経験を例えとして、語りかけてあげて下さい。

 

「愛」によって紡がれた糸は、「愛」によってのみ継続されると信じます。

この夏の若者の自殺が無く、愛する者の悲しみが起こらないよう、祈ります。