お坊さんが語る終活

後悔しない人生を、笑顔の毎日を本当の終活で。

この道に入り、以前、人に聞かせるほどではありませんが、篳篥(ひちりき)という雅楽で使われる楽器を少し嗜ませていただきました。

 

平調、盤渉、壱越などの調子があり、譜面に書かれたカナを歌い、メロディーを覚えて奏楽するものですが、この篳篥はいわゆるリード楽器であります。

 

クラリネット、サキソフォーンなどリードを震わせて音を出すものです。

東儀秀樹さんがふいているやつ、と言ったほうが早いですかな。

 

さあ、篳篥のリードのことを「舌」と申しますが、この舌の開き具合が音に強く影響します。

その開き具合を調整するものが「責(せめ)」と言います。

この責、楽器を使わない時もはめておかねばなりません。使うときの音だけでなく、使わないときに、使えるスタンバイをさせる働きも持っているのです。

 

責があることにより、篳篥篳篥としての働きができます。もしこの責がなかったら、あの幻想的な音色は出てこないのであります。

 

責は自らを縛るものと捉えることもありますが、その縛りこそ、自分が自分として成り立つ、大切な要なのかもしれません。

 

自らを責を持ちましょう。