お坊さんが語る終活

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繰り上げ初七日?

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御葬儀に参列することがあると思いますが、最近は様々な形態が見られます。

もちろん一般葬、家族葬と言った区分けもあるわけですが、次第進行の部分でも様変わりをしております。

 

先日ある御葬儀の場で、葬儀、告別式が終わり、私の知る専らは喪主挨拶、お別れ、ご出棺という流れなのですが、その時は告別式のあとすぐに「繰り上げ初七日法要」が営まれました。ご宗派は浄●真●本●寺派でしたが、正直驚きました。

 

喪主様のご都合かも知れませんし、一概に言えないですが、せめて荼毘にふされて、骨上げのお勤めをしてから、繰り上げくらいならと思いますが、流石にその場ですぐには、びっくりしました。

想像ですが恐らくはお寺様からのご提案だろうと思います。一般の方々は葬儀という場面には慣れておられません。お寺様からの助言でご遺族もそうされたんだと思いますが、私の感性から言えば「困ったもんだ」であります。

 

後日、通夜式に参列された方から聞いた話ですが、そのお寺さん、全くお説教をしなかったそうです。葬儀の際は火葬場との関係もありますので、そこは避けられる場合が多いですが、通夜は故人様との最後のお別れの晩です。やはり宗教葬であるならば祭主、導師はいのちの営みについて宗教的見地からお話をすべきであります。御布施をお預かりするにはそれなりの善導をすべきが、そのお役目ではないでしょうか。

 

そんな事だから「直葬」などという考え方がまかり通ってしまうのです。

「最近は〇〇ですから」こんな怪しい言葉に惑わされず、その方の一生の最期の儀式を、きちんと勤めてあげてもらいたいものです。