お坊さんが語る終活

後悔しない人生を、笑顔の毎日を本当の終活で。

納骨堂もいつか壊れる⁈

お釈迦様は私たちが避けて通れないものとして、「四苦」をおときになられています。

四苦とは生、老、病、死ですが、この生滅の法則はあらゆるものに例える事ができると思います。

何か物体が作られた、人々は大事に長く使おう、と思い大切に手入れをしながら使われると思います。

しかし、大切に手入れをしながら使っていても、いつかは劣化して、原型をとどめることができず、壊れてしまいます。

当たり前のことで、誰しもが知っていることかと思います。しかし知っていることと、気づいていることとは違うんですね。

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昨日から仕事で稚内へ来ております。

新聞の広告に、大きな納骨堂ビルの写真があり、使用料などの案内が載っていました。

札幌の中心部に地上7階建てくらいでしょうか、総数400基の納骨壇が売り出されているようです。タイプは様々ですが、一体あたりに換算して20万円から25万円の価格です。

地下鉄の駅から徒歩5分、雨も雪も関係なくお参りできる納骨ビルのようです。

 

都会は土地が希少ですから、車をとめる駐車場も、平面から立体になっております。それと発想は同じかと思います。

しかしふと、思ってしまいました。

 

「このビル、壊れないのかな?」

 

いえ、いつか必ず壊れます。

その時、どうするのかな?

マンションを買うまたは借りるときには、宅建業法に従った契約を結び、買主、借主の財産を守るための条文が明記されます。それらはメンテナンスも含めて表記されますが、このビルはどんな感じなんでしょう。

 

また、いつも心配するのですが、この納骨ビルの運営母体が一般に言う倒産に至ったら、どうなるんだろう。

どこかのペット霊園がある日突然、無くなっていたことがありました。

 

お骨を扱う文化の変化は、時の流れの中である意味仕方ないかも知れませんが、「この先どうなるのか」をよくよく考えて、選択すべきかと思います。

 

大切な人が最後に残す形。どうすべきがベターか、一考されてはどうでしょうか。