お坊さんが語る終活

後悔しない人生を、笑顔の毎日を本当の終活で。

仏壇じまい⁉️

 地元中国新聞では「大長寿時代の心配事」と題して、主に終活の記事を掲載しておられます。

今般、墓じまいならぬ「仏壇じまい」的な記事が載っていました。

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  家に伝わる先祖からのお仏壇。しかしつぎの世代、すなわち祭祀継承者がいないご家庭において、止む無くお仏壇を閉じなくてはならない、という事であります。

悩むところですね。

  勿論、天涯孤独という環境の方においては、止むを得ないことかと思います。しかしご兄弟、従兄弟、再従兄弟、甥、姪など何らかの継承手段がおありの方でしたら、何とか継承されるべきかと思います。

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  例えばA家の本家に代々のお仏壇があったとします。本家には子供さんがおられない。ご主人が他界され、奥さんが施設に入所される段に至った、こんな場合でしょうか。

 

  そんな時、分家(ご主人さんのご兄弟のお宅)があれば、そちらが継承されることで良いかと思います。

  勿論、その分家さんのお宅にも、もう既にお仏壇がおありの場合は、一般的には同じご宗派となりますので、ご先祖様の位牌や過去帳などを継承し、お仏壇は然るべき終い方をされたら良いと思います。

 

  ただここで、あってはならないことがあります。それは、信教の自由が保障されている中で、「我が子にも信教の自由がある、だから家の宗派を踏襲させることは、憲法に反するから仏壇は無くしてしまおう」みたいな考え方です。

「そんな飛躍する者はいないでしょう!」

多くはそうおっしゃると思います。

でもわかりませんよ、家族法が変わり、家督の相続がなくなったのが戦後の日本です。

 

財産は法定分配されるが、この祭祀継承は何となく旧来の名残りとして、主に長兄継承するという形が存在しています。

でもこれだけ、「権利や自由」が叫ばれる世の中になりますと、先述のようなことが起こらないとも限りません。まったく困った世の中です。

 

  生きている人すべてに「先祖」はあります。

一人一人のご先祖様が、一所懸命生きて下さったから今の自分があるのではないですか?

  そのご先祖様が大切になさった「想い」の一部が宗教、宗派、教派というものだと思います。

決して軽んじてはならない部分と、私は思います。

色々なご事情があると思います。お一人で悩んでおらずに、ぜひご相談下さい。相談して、あとで後悔のしない方法を選択しましょう。

 

ご覧下さり、ありがとうございました。合掌