お坊さんが語る終活

後悔しない人生を、笑顔の毎日を本当の終活で。

幸せな逝きよう

去る14日、大切な信者さんのお一人が極楽へと旅立たれました。

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先週末から今日まで在阪でしたので、訃報を受けていましたが、外せない公務があり今日の夕方、広島に帰り次第すぐに法衣に着替えてお参りに行かせてもらいました。

 

今月2日に私のお話を元気に聴いて下さり、その翌日から不調を訴えられ、即入院されたそうです。そして14日に逝かれたのであります。

行年77歳。今頃ではまだまだ若い、という年齢ですが、寿命はお約束ですから仕方ありません。

今日ご葬儀が終わったばかりでしたが、奥様からお話を伺いました。 

 

最期はおふたり手を握ったままでのお別れであったそうです。また、現物を見せてもらいましたが、ご家族へ感謝の手紙がありました。病床なかなか力が入らない中、ありがとうありがとうと。奥様と一緒だったことがご自身の一番の幸せであったこと、また、娘さん、お婿さん、お孫さんにも感謝の言葉が綴られていました。

 

2年ほど前でしたでしょうか、脳梗塞を患い、それ以来気難しく、対応が難しく感じられた時期もあったそうですが、1年前くらいからは穏やかになられ、ちょうど終活講座が始まり、その受講も功を奏したようで、万一の時のことをお互い、じっくり相談しておられたそうです。

この度の葬送についても、ご主人の想いをしっかり聞いておられたので、何も戸惑うことなく進捗できたそうです。

 

倒れてから10日あまり。この日にちの是非は一概に言えないですが、長く患うこともなく、かといって看病の時間が無いわけでなく、その間に会うべき人に会い、家族にありがとうが言え、最期は眠るように往生された。

本当にいわば理想的な逝き方だと思います。

素晴らしいお迎えをいただかれたこと、表現は変ですが、とても有り難く、嬉しい気持ちをご家族の方もお持ちでいらっしゃいました。

 

信仰により授かる功徳は多々あると思いますが、やはり最大の功徳が、この往生ということと私は思っております。

何年何月何日かわかりませんが、このブログをご覧になっておられる方にも、必ず訪れるのです。この度の方は御礼を言う時間的ゆとりがありました。でも、全てそうとは限りません!

だからこそ、今日一日、今日一日の感謝を身近な人に伝えておかねばならないのです。

 

幸せな逝きようが出来るためにも、日頃からの精進が必要かも知れませんね。

 

最後に御霊前に、「あちらでの修行を終えて、早くこっちへ戻って来てよ、お寺は忙しいんだから。」とニッコリ笑顔のご遺影に言葉をかけてまいりました。

心からの御冥福をお祈りします。合掌