お坊さんが語る終活

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靖き國に

11月9日、快晴の東京は九段で、第3回 全国仏教者による慰霊法要が千鳥ヶ淵墓苑ならびに靖國神社で挙行されました。

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午前10時、寄宿のホテルグランドパレスの牡丹、あやめの間にて開会式が行われ、毘沙門堂門跡のご門主であり、世界連邦日本仏教徒協議会ならびに、関西宗教懇話会会長の叡南覚範大僧正のご挨拶から行事がスタートいたしました。式には衛藤晟一総理大臣補佐官も出席し、挨拶をされました。

 

僧侶50名のほか全150名の参加者は、6台のバスに分乗、千鳥ヶ淵墓苑を目指しました。

 

真宗木邊派管長、木邊円慈猊下の御導師により、参加者全員が外地戦から収拾されたご遺骨の眠る墓苑にて読経回向を手向けました。

 

続いて靖國神社へ移動、第二鳥居前から行道し、拝殿手前で一礼後、参集殿にて湯茶の接待をいただき、権宮司様からの丁重なご挨拶をいただき、参集殿から拝殿へと進みました。

 

拝殿では神職による修祓があり、その後、神社の拝殿にての仏式法要を行いました。

 

読経後、本殿へ参進、導師の木邊管長、世界連邦日本仏教徒協議会の可兒光永理事長、関西宗教懇話会の事務局長であり、念法眞教教務総長の一宮良範師が玉串を捧げ、二礼二拍手一礼の作法にて拝礼をいたしました。

 

直会を受け、遊就館前にて記念撮影後、バスにて寄宿へ戻り、昼食会が開かれました。

 

昼食会では昨年この法要の導師を勤められました、真言宗須磨寺派の小池弘三管長猊下のご挨拶、融通念佛宗元宗務総長の山田隆章先生の御発声でご英霊に「献杯」が捧げられ、ひととき参加者は懇親を深め、この国の将来のためにこの行事は継続し、なおかつ広げなくてはならないことを確認しあいました。

 

中締め比叡山延暦寺の小堀光実執行様より「慕古心」すなわち、いにしえを愛慕し、それを伝えることが大切なことであり、この行事はまさにそれを為す行事である旨のご挨拶をいただき、来年またこの場所で集うことをねがい、散会いたしました。

 

靖國神社社頭をあるくさい、私は金を打ち鳴らしつつ、先頭を歩かせていただきましたが、靖國神社にご参詣の方々が道を開けてくださり、沿道で深々と頭を垂れ合掌して、迎えてくださる姿が多く見られ、「神社に僧侶」何一つ違和感は無いことを確信した次第です。

 

「死んだら靖國で」

散華されたご英霊の合い言葉です。

 

権宮司様も、「御祭神の殆どが生前は仏教徒の方であったと思います。神社では御祭神としてお祀りいたしておりますが、さぞ今日の法要をお喜びになられたものと思われます。」とお話し下さり、誠にこの行事が理にかなったものであることも、認識をさらに深めたのでありました。

 

先の大戦では多くの若い人の命が失われました。戦争は人の命を奪い、悲しみを際限無く増やします。

戦争をしない努力をする、当たり前のことであります。しかしここに現代の日本で二つの間違いがあると私は思います。

 

一つは、戦争をすることを容認しかねないので、不戦の平和憲法は死守しなければならないという考え方。

今ひとつは、戦争をした人たちが祀られている靖國神社だから、天皇陛下も総理大臣や閣僚も参拝してはならないという考え方であります。

 

この二つの考え方は、180度変えなければなりません。

このことを変えることこそ、我々宗教にかかわるものがしなくてはならない、最も大きなものだと思っています。

 

人の命はどの人もひとつしかありません。

だからこそ、その命を大切に思い、尊ばねばならないのです。

 

今、緊迫する近隣外交が異変を起こし、どこかの国が攻めてきたら、あなたなら命をどう使いますか?

 

敵国に差し上げますか?

それとも愛するものを守るために使いますか?

そういう事なんですこの問題は。

 

父祖が築いた此の国を、靖き國にすべく、どうしたらいいかを共に考え、行動に移してはみませんか。

改めて、二百六十万の御英霊に敬意と感謝を捧げ、彼等の思いを継承することをお誓いいたします。

 

ご覧下さり、ありがとうございました。合掌