お坊さんが語る終活

後悔しない人生を、笑顔の毎日を本当の終活で。

原爆月忌

今年のフラワーフェスティバルは1日も雨に当たらない、珍しい祭典となりました。

 

今日は原爆月忌です。

出張中でない限り、この日は午前8時には平和公園の二ヶ所で慰霊のお勤めをさせて頂いております。

 

今朝は未明の雨に、樹々が新緑を輝かせていました。土曜日ということもあり、子供達も一緒に参りました。

一ヶ所目は皆さんよくご存知の、慰霊碑前でのお勤めです。ここには死没者名簿が奉祀され、8月6日には、総理大臣以下が参列して広島市主催の平和記念式典が開催されております。

 

今ひとつは、太田川沿いにある原爆供養塔前です。この供養塔には、お名前が解っていても御遺族の引き取りのないご遺骨815柱、名前のわからないご遺骨、約7万柱が納められております。

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私のお寺の教団では毎年7月の末の日曜日、今年は7月23日に慰霊祭を挙行し、今年で31回を数えます。

この供養塔は、広島戦災供養会様が護持をしてくださっておられますが、実はここに毎朝清掃をして下さっている一人の女性の方がおられます。敢えてお名前柱差し控えますが、少なくとも私が広島に赴任して12年、私は6日という月忌には参らせて頂いておりますが、天候には関わらず必ずいらっしゃいます。

よほど体調に問題がない限り、毎日来ておられます。本当に頭が下がる思いです。f:id:obousansk:20170506095423j:image

あれから72年が経過します。

その間、毎年8月が近づくとテレビや新聞でその空気が漂って来ますが、本当の慰霊とは、

「忘れない」ことではないでしょうか。

 

毎日、7万もの御霊に心をよせる姿は、本当の菩薩様と言えるのではないでしょうか。

私達も残す家族にとって、忘れられない人物であることを、今日1日のかかわりの中で築いて行きたいと思います。

 

ご覧下さり、ありがとうございました。合掌