お坊さんが語る終活

後悔しない人生を、笑顔の毎日を本当の終活で。

長崎にて

昨日より明日行われる、長崎原爆殉難者慰霊法要のため、長崎にて来ております。

 

九州地方の大雨により、多くの犠牲者が出、罹災の地域に於いては不安な日々をお過ごしと思います。心からお見舞い申し上げます。

大自然の前に人間は何と無力な存在か、災害の時にいつも思い知らされます。

 

広島でも2年前、豪雨による災害があり、大きな被害がありました。

 

唯願わくば、風雨順時にして、人々の生活安穏であることを祈るしかないと思います。

 

さて、72年前の8月9日、11:02 広島への原爆投下後3日目に長崎にも原子爆弾が投下されました。阿鼻叫喚の様相であったと思います。

教団では、31年前から広島で、そして13年前から長崎でも現地での慰霊法要を勤めさせていただいております。

 

国連では核兵器禁止条約が採択されました。しかし、今の国連は言葉が過ぎるかもしれませんが、シンボライズされた組織でしか無く、その実効性は乏しいものがあります。

世界の大国が先ずは批准しなければ、有名無実であります。

 

これからの人々のため、何ができるかを一人一人が自分の出来ることを中心に、考えなくてはならないと思います。

明日、長崎の御霊に対して、私個人は私個人として出来ることを約束し、それを御供えしたく思います。

路面電車の往来する長崎で。

f:id:obousansk:20170708162516j:image

ご覧下さり、ありがとうございました。合掌

成年後見55%利用せず。

昨日からの豪雨で、九州地方では大変な状況になっております。一刻も早く雨が終息して、罹災の方々の生活が安心のできる形になりますことを心から祈念いたします。

 

さて、昨日の朝刊からですが、みずほ情報総研の調査により、成年後見制度を知っていても利用しないと、回答した方が55%にも登っている現状が明らかとなりました。

f:id:obousansk:20170706231915j:image

調査の対象が認知症の家族の金銭管理を手伝った人という、少々どんな背景の方なのかよくわからわからないのではありますが、そもそも成年後見制度は、ことが起きてからのケースであり、確かに本人が認知症など、自分の確かな意思を表明することができないのですから、利害関係を含め、とてもややこしい環境下で手続きしなくてはなりません。

しかし、この制度を利用することで、本人の医療に関わることや、もちろん財産に関わることがスムーズになることは明らかです。

 

ではそのメリットを生かしつつ、デメリットを最小限にできないか?

それが以前にもお伝えした、任意後見制度です。

この制度ならば、本人がしっかりしている間に、本人の意思により形が作られ、万一の時にも係争にもなる頻度を抑えることができると思います。

 

本当に安心して日々を送るためのツールは、みんなが知っているべきと思います。

特にご子息のおいででない方には、1日も早く方向性を定めるべきが、自分自身を守り、また近親者を悩ませるリスクを回避する事だと思います。

 

任意後見制度については公証人役場のホームページを一度ご覧になってみて下さい。

安心の毎日が過ごせる方が、一人でも多くなりますように。

 

ご覧下さり、ありがとうございました。

ツバメ

10日ほど前にブログで御紹介しましたツバメの赤ちゃんが、あの後孵化しチーチー鳴くようにまでなりました。

f:id:obousansk:20170703195732j:image

お父さんか、お母さんかわかりませんが、せっせと食べ物を運んで来ては、子ツバメの口にエサを入れてあげています。

親鳥が来ると一斉に首をもたげ、口を開けてエサを待ちます。

 

命のいとなみ。それは全ての生物に備わっている法則なのでしょうが、本当に凄いなと思います。

鳥には鳥の命のいとなみがあり、人には人の命のいとなみがあります。

そこにあるのはやはり「愛」なのでしょう。

 

言語は人にのみ許されたコミュニケーションツールですが、自然界の生物には言語がなくてもコミュニケーションができているのです。

 

人は他の生物より高度なコミュニケーションツールを持っているのに、時に悪い使い方をしてしまいます。

お互いが栄えてゆく、お互いが笑顔でいられる使い方をしてさえいれば、みんなが幸せになれると思います。

 

「愛」に根ざしたコミュニケーションをとり、ツールが無くとも、信頼しあえる家庭や世の中を作る努力をして行きましょう。

 

ツバメはきっとそれを示してくれているんです。

 

ご覧下さり、ありがとうございました。合掌

 

ランタナ

お寺の前にわずかな花壇があります。

信徒さんがお世話くださっていますが、その中に一風変わった花があります。ランタナという花だそうです。

f:id:obousansk:20170702222406j:image

とても可愛らしい花で、小さな花がいくつも寄り添って形を成しております。

 

紫陽花などもそうかもしれませんが、小さな花がいくつも寄り添って一つの形を成している植物は他にもあるのかもしれません。

 

一般的に花というと、一輪一輪花の形を成しているものをイメージしますが、ランタナのような花は健気さをも感じます。

小さな花がが色を変え、寄り添って一つの形を作る。さながら花の家族といったところでしょうか。

 

大自然の中にあるものは、誰が作ったのでしょうか?花も木も、魚や鳥や肉眼では見えない微生物。無数の生き物が存在していますが、その由来を知る人はいません。

ですが、この大自然の中に存在するものは、存在する意義無くしては存在しないのだと思います。それぞれ役割を担いつつ、この世に置いていただいている、ということです。

 

ならば自分の課せられた役目は何なのか、それはいかにして果すべきなのか、それを知らなければ、存在の意味をなさない事になります。

 

仏教では縁覚という階位があります。

様々な縁によって悟りを得る人を言います。

中々そんな階位にはいたりませんが、せめて春夏秋冬の四季の移ろいの中に、諸行無常や栄枯盛衰の事象を観じて行ける人に成長して行きたいものであります。

 

生老病死

絶対の理です。そこをきちんと認識し、今日一日をいかに生きるかを見定めていただきたいと思うのであります。

 

ご覧下さり、ありがとうございました。合掌

 

終活講座第3講 佐伯会場

今日は6月の最終講座、佐伯区民文化センターでの第3講を開催させていただき、24名の方が熱心に受講下さいました。

 

昨日の安佐南会場と同じ、葬儀 供養、先祖と自分のかかわり、親と子のかかわり、その事を皆さんご理解いただけたようでした。

 

終活を考える上で大切なことはなんでしょう。

もっぱら多くの人は、「立つ鳥、跡を濁さず」

という観点から取り組みを、始められます。

ですが、その鳥が、全く鳥のみの存在としてそこにあるのなら、鳥だけが単独で何かを講じればいいでしょう。しかし、跡を濁さずということは、鳥のすぐそばに、濁る存在があるということです。だから、いくら鳥自身が、単独で意識しても、その足元や環境を鑑み、それらをも含めて「跡を濁さず」としなければならないということです。

 

人の終活も同じです。

 

ひとりよがりで、「ここまでしてたら大丈夫」と思い込んでしまうと、良き終活にはなりません。自分を取り巻く様々な人や物事と、かかわりつつそれを積み上げねばなりません。

 

私はこの講座でこうした事をお知らせして、最後のその時に、安心して居られる自分を確立していただける人を増やして行きたいのであります。

来月15日に、久しぶりに第1講を開催させていただきます。どうぞこのブログをご覧の方には、第1講への御紹介をしていただきたく、お声をかけて下さい。

 

ご覧下さり、ありがとうございました。合掌

終活講座第3講 安佐南会場

今日は安佐南区民文化センターでの、終活講座第3講をさせていただきました。f:id:obousansk:20170628200528j:image

この会場には、大型の電動スクリーンがあり、とても便利に使わせていただきました。

 

講座は「葬儀・供養」現代社会の中の葬儀の現状、また、供養では単に墓を通しての供養にとどまらず、供養の本質についてお伝えさせていただきました。受講の皆さんからは葬儀に対する準備や、家族との共有を急がないといけないといった感想が多く、しっかりと受け止めてくださったようでした。

 

話は変わりますが、昨夜のニュースでいわゆる「老々介護」が3割を超えた、と報道されていました。まだ介護してくださる方がいる場合は良い方だと思います。

この3割の老々介護の世帯の

延長線上には、「孤独死」のリスクがつきまとう事になります。

核家族化。

全てはこの形の副産物に他ならないと思います。だからこそ、このブログをご覧の方には、改めて家族のあり方について、きちんと考えて欲しいと思います。

 

もう一度、家族を見直しましょう!

かけがえのない、自分自身を自分たらしめる大切なキーワードだろうと思います。

一人でも多くの方にこの事をお知らせすべく、もっと多くの機会を与えてもらいたいと思っています。

明日は佐伯区会場での第3講です。明日もがんばります。

 

ご覧下さり、ありがとうございましたよ合掌

終活講座 第4講 福山会場

昨夜大阪から帰広し、今日は福山市にある、学びの館ローズコムでの、第4講を開催させていただきました。

出席予定の方で急用で4名の方がご欠席で、10名の方が受講下さいました。

 

第4講は、遺言、相続がテーマなのですが、このお坊さんが語る終活講座のある意味、中心的内容の部分にあたります。

「本当に相続させるべきは何か」この事をご理解いただくための内容になっているのですが、受講の皆さんは本当に私の意図するところを的確に捉えて下さり、「講師冥利につきる」といった感じでありました。

 

人には必ず、「最後の生きる瞬間」があります。その瞬間にこそ、終活の花を咲かせてもらいたく、この講座を開催させていただいておりますが、今日の受講の方々、花の咲かせ方を知ってお帰り頂けたと思いました。

 

花を咲かすには、水やりや、肥えやりが必要です。それは他人任せではいけません。その花を咲かせようと意識して、世話をするからこそ、花もそれに応えてくれるのだと思います。

受講の皆さんには、大輪の花を咲かせていただきたく思います。

 

明日は安佐南区民文化センターでの、第3講です。また明後日は佐伯区民文化センターでの同じく第3講と、今日を含め三日連続の講座です。明日も皆さんによくご理解いただける講義ができますように。祈。

 

ご覧下さり、ありがとうございました。合掌